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意志の力を使わずに目標を達成するための方法
本の概要
準備を怠ることは、失敗するための準備をするようなものだ。 -ベンジャミン・フランクリン(アメリカの政治家)
準備が全てだと僕は思ってるんで 準備の段階で試合は始まっている。 -本田圭佑(サッカー選手)
あなたは、目標を達成するためにどのようにして計画を立てていますか?
本書は、目標達成のための準備として、「計画を立てる」ことのポイントが学べます。
ほとんどの人が、目標達成のために前もって計画を立て、準備をし、行動します。
しかし、せっかく計画を立てても、うまくいく場合とうまくいかない場合があります。
それは、なぜでしょうか。
うまくいかない場合には、その計画の立て方に問題があります。
たとえば、「痩せる」という目標に対し、次のような計画を立てた場合を考えてみましょう。
- 食べる量を減らす。
- 運動する量を増やす。
おそらくこのような計画だと失敗する可能性が高いでしょう。
なぜなら、この計画では具体性がなく、場所や方法も決めておらず、大まかな行動を書き出したにすぎないからです。
では、どのように計画を立てたら良いでしょうか。
効果的な計画の立て方
- 「何」をするかを決める。
- 「時間」と「場所」を決める。
- 「もし~であれば、~をする」という条件型計画を立てる。
- 障害物を明らかにする。
では、具体的に見ていきましょう。
「何」をするかを決める。
最初に、具体的な(明確な)行動を決めます。
食べる量を減らす。 ⇒ 食事量を1日1,500kcal以下に抑える。
「時間」と「場所」を決める。
行動を「いつ」「どこで」実行するかを具体的に決めます。時間と場所をはっきりと決めることで、他のことに気を取られていても、無意識に状況を察知して、自動的に行動を開始できる確率が高まります。
運動する量を増やす ⇒ 毎週月、水、金曜日に、出勤前にスポーツクラブで1時間運動をする。
「もし~であれば、~をする」という条件型計画を立てる。
「何」「時間」「場所」を、「~のときは、~をする」や「もし~であれば、~をする」というような条件型計画を立てます。
たとえば、「日曜日に夕食を終えたら、30分間のウォーキングをする」という計画です。
頭の中で、「日曜日の夕食後」という状況が、「30分間のウォーキングをする」という行動と直接的に結びつきます。
条件型計画により、無意識に行動が取れるので、意志力はあまり使わなくてすみます。
また、紙やノートに書き出し、できれば何回か繰り返し音読し、脳に覚えこませるようにすると効果的です。
障害物を明らかにする。
目標達成に過程で生じ得る障害物や気を散らす対象が何かを明らかにします。それらに対処するための条件型計画を立てます。
「どうしてもお菓子が食べたくなったときは、タンパク質が多い食べ物に変えて摂取するようにする」という計画です。
まとめ
達成したい目標の難易度を問わず、シンプルな計画を立てて取り組むことで、成功の可能性は飛躍的に高まります。
本書には、計画の立て方以外にも、様々な状況(簡単なことをするとき、やる気が沸かないとき、難しいことに挑戦するとき、誘惑に負けそうなときなど)に対するアプローチの仕方(考え方)が紹介されています。ぜひ、ご一読ください。
目標は、眼鏡のレンズのようなものです。目標の立て方によって、何を目指しているかだけでなく、その目標をどう見るかや、目標に至る過程でぶつかる問題をどう解釈するかも変わるのです。失敗は、有意義なフィードバックになります。問題は、乗り越えられる壁になります。嫌な感情は、前に進むためのエネルギーになります。目標という眼鏡を変えることで、世界の見え方も変わるのです。(本文抜粋)
書籍情報
【書籍名】GRIT やり抜く力
【著者名】ハイディ・グラント・ハルバーソン
【出版社】大和書房
【頁 数】256ページ
【目 次】
第1章 ゴールをかためる
第2章 なぜそこを目指す?
第3章 おのれを知る
第4章 楽観するか、悲観するか
第5章 ただ成功してもうれしくない
第6章 欲しいものと邪魔なもの
第7章 背中を押す
第8章 地道に壁を超える
第9章 シンプルな計画をつくる
第10章 自制心を日増しに伸ばす
第11章 現実を見よ
第12章 あきらめるとき、粘るとき
第13章 フィードバックの魔法